訳者ノート:幸福な道化師

あまり聞かない女流作家、アリス・エレノア・ジョーンズの短編SFです。黄金時代たけなわの1955年に「イフ」誌に発表されました。初めての赤ん坊に苦労する育児SFかと思いきや――

たまたまProject Gutenbergのトップページで新規投稿としてフィーチャーされていたので読んでみたものです。今日において(いや、今日に限らないか?)SFなんかを読んでいるような人間にとっては、スティーヴンくんの苦労は他人事とは思えないのではないでしょうか。そして、この未来図の地味ながらチクチクと効いて来る厭らしさ! 反吐の出るほど見事なエクストラポレーションですね。

作者のアリス・エレノア・ジョーンズ (Alice Eleanor Jones) は、isfdbによると50年代に数作だけ短編を発表している寡作家です。私の知っていた限りでは、また今回Web上で調査できた限りでは邦訳は一つもありません。

(2019年5月20日)